第2回(全3回)「なんとなく分かっている」が一番危険? 組織の問題を「働きやすさ」と「働きがい」で見極める方法

こんにちは。前回は「不満をなくすこと」と「やる気を出すこと」は別のボタンであることを、ハーズバーグの理論でお話ししました。

では、貴社の施設は今、どちらのボタンを押すべき状態なのでしょうか?

「うちは少人数だし、日頃の会話で不満は把握できているから大丈夫」 そう思われている経営者様も多いかもしれません。しかし、直接言いづらい「本音」こそが、組織の綻びの原因になります。それを客観的に診断するのが「ES調査(職員満足度調査)」です。

■「なんとなく」ではなく数値で見る重要性

ES調査を実施すると、漠然としていた課題が明確になります。回答傾向を、前回の理論に当てはめて分類してみましょう。

ケースA:「衛生要因」に問題がある場合 以下のような声が潜在している場合、まずは「マイナスをゼロにする」対処が急務です。

・「休憩室が狭くて休まらない」

・「特定の先輩の言い方がきつい(人間関係)」

・「シフトが出るのが遅くて予定が組めない」

・「給与が業務量に見合っていない」

ケースB:「動機付け要因」が不足している場合 「特に大きな不満はない」はずなのに、活気がない、提案が出てこない場合は要注意です。

・「毎日同じことの繰り返しで成長を感じない」

・「頑張っても上司が見てくれているかわからない」

・「この先どうなれるのか(キャリアパス)が見えない」

■「働きやすい」けれど「ぬるま湯」な職場

最近の傾向として、ハラスメント対策や残業削減が進んだ結果、衛生要因(働きやすさ)はある程度改善されている施設が増えています。

しかし、そこで止まってしまうと「人間関係も良く、楽だけど、成長もしない」という、いわゆる「ゆるい職場」になりがちです。これでは、成長意欲のある優秀な職員ほど、「ここでは成長できない」と見切りをつけて辞めていってしまいます。

そのため組織を担う中核人材の不足におちいりがちです。

ES調査は、単なるガス抜きの場ではありません。 「今、ウチの組織には何が足りないのか?」 「マイナスを消すべきか、プラスを作るべきか?」 それを戦略的に判断するための診断カルテなのです。

次回は、いよいよ最終回。この分析結果をもとに、どうやって「人が辞めない、かつ成長する組織」を作っていくか、具体的なアクションについてお伝えします。